オレ様御曹司 と 極上KISS
俺は横に座る百合園の婆さんにも挨拶をした。

「こちらは?」

「このレディは百合園登紀子さんだ。
昔は御綺麗じゃったのだぞ。あ、しもうた。今も十分御綺麗じゃがな。」

そう言ってまたふぉっふぉっふぉっと笑う。

「まぁ男前のおぼっちゃんですわね。
正太郎さんのお孫さんですの?」

「登紀子さん。この孫はわしに似たんじゃな。さぞかし女泣かせじゃろうて。」

「まぁ・・・。」

なんだぁ?この雰囲気。

じじいとばばあに見えるけど・・・この二人できてんのか?

俺はそろそろとその場を去ろうとした・・・

「まてい。翔。」

爺さんの一言がその和やかな雰囲気を一気に張り詰めたものに変えた。

「お前、その横におられるレディに挨拶をせい。男ならそれくらい気をまわせ。」

ちっ。きたか。

「これはこれは。
あまりに御綺麗なのでお人形かと思ってスルーしそうでしたよ。」

嫌味のつもりで言ったのだが、本人には逆効果だったのか頬を赤らめている。

「まぁ・・・そんな・・・。」

ああ・・・無理だ・・・。
この嫌味も通じない鈍感女なんて・・・。

げんなりしてその場を立ち去りたい思いにかられる。
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