オレ様御曹司 と 極上KISS
『なお1歳』と書かれた写真。

誕生日を祝ってもらっているなおの横に立つ母のおなかはペッタンコだった。

なおが8月4日生まれ。
そしてその1年後の8月13日に俺が生まれてる。
本来ならなおが1歳のときに俺は母親のおなかにいたはずなのに・・・。

もちろん、両親はなおと俺を分け隔てなく育ててくれたしなにも嫌に感じたことなんて今までなかった。

けれど、それを知ってしまうと、やはり自分の出生について気になり始めて・・・
いつか両親に聞こうと思っていたのに・・・
バスの事故で両親を亡くすと同時に俺は自分のルーツをたどる機会も無くしてしまったわけだ。

なおに対する想いにそのころには気づいていた俺は、途方にくれた。

自分のはっきりしたルーツもわからないのになおに想いを告げることなんてできるわけなかった。

なおが男に振られるたびに俺はなおの癒しとなり、なおのそばにいることに満足するしかなかった。


けれど、それは、大学3年の時に突然訪れた。

その頃やっていたパン屋のバイト先のおばさんが俺を見て突然名前を聞いてきたので

「一条蒼大です。」

というと、そのおばさんは涙を流して俺を見た。

「わたしはあんたのお母さんの妹なのよ。あんた、父親にソックリ・・・。
あんまり似てるから・・・もしかしてと思ったのよ。」

と・・・。

そして、すべては明らかになったのだ。
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