オレ様御曹司 と 極上KISS
「管理部としても君は優秀だから困るといったんだけどね・・・
専務はもう決めたとおっしゃって・・・」

「・・・・。」

「まぁでもいいじゃないか?英語力がいかせる部署希望だったんだろう?
秘書は英語ができないと務まらない。特に専務の秘書はね。
あの方はアメリカを飛び回っておられるからね。」

「はぁ・・・。」

「なんだ。気がすすまないのかね?」

「いえ・・・。そういうわけではないですけど・・・
英語できる人なんて他にもたくさん・・・いらっしゃるんじゃないでしょうか?
わたしはもうかなり英語とは遠ざかってますし・・・。」

「気がすすまないなら、掛け合ってみるが・・・と言いたいところだが・・・
専務はこの件に関しては譲らないとおっしゃってるからなんとか頼むよ。」

「専務が・・・ですか?」


 なんでそこまでこだわるんだろう?

でもまぁ・・・英語力が活かせるなら・・・


「わかりました。やります。」

「おぉ。そうか。よかった。
なら、この件は一条の承諾を得たものと判断するぞ。
内示は来週末、今月末のギリギリだが、それまでは他言しないように。
引き継ぎ準備などはバレないようにやってくれ。」

部長はあからさまにほっとした表情をした。

きっとわたしを説得できなくてわたしがやめでもしたら専務がお冠になるからだろう・・・。

わたしだって、子どもじゃない。大人として、与えられた仕事はまっとうしなければ・・・

なぜわたしなのか疑問は残るが、英語力を活かせるのはちょととばかし・・・うれしい。

ビジネス英語・・・クローゼットの奥から本、引っ張り出してきてもういっかい勉強しなおさなきゃ・・・。
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