オレ様御曹司 と 極上KISS


「秘書課?」

蒼大が怪訝な表情でわたしの顔を見ている。

「そう。異動なんだって。
なかなかビックリでしょ。」

「うん。」

「でも、ようやく英語使って仕事できそうだし。
そういう意味ではちょっとうれしい。」

蒼大はわたしの顔をくいいるように見ていたが、しばらくしてにこっと笑った。

「よかった。なおが仕事頑張る気になってくれて。
こないだのことひきずってないみたいだし。」

「うん。不思議だけどね。もうどうでもよくなっちゃった。
そもそもそこまで好きじゃなかったのかもね?恭介のこと。
だから、逆に別れられてさっぱりしたよ。」

蒼大はふふっと笑った。

「なおはなおだから・・・。
がんばれよ。新しい職場で。」

また、今日も蒼大のブラウンシチューを食べながら、久々にきょうだい水入らずでわたしたちは楽しく会話を楽しんだ。



「なお、大丈夫みたいだね。」

佳那には恭介と別れたことはその日のうちにLINEで報告していた。

昨日は佳那は人事部の勉強会で会社を留守にしており、別れてから今日初めて佳那と会う。

例によってから揚げ定食を注文し、食堂で向かい合って座っていた。

「うん。意外とね・・・。」

「実は、別れられてほっとしてんじゃないの?」

「わ、わかる?」

するどいよ。佳那。

「だってなお、あんまり恭介さんが好きでたまんないってかんじじゃなかったもんね。
どっちかというと惰性で付き合ってる感じ?」

「よくわかるね・・・。」

「わたしもだてに恋多き女じゃないって。
まぁよかったじゃん。別れて正解かもよ。
だいたいなおかわいいんだから別れたって聞いてアピってくる人増えるんじゃない?
積極的に次の恋探してみたら?」

「え?次の恋?」
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