オレ様御曹司 と 極上KISS


「悪いな・・・こんなとこ呼び出して。」

久遠翔からの連絡はどういうことがだいたい察しはついていた。

数週間前からなおがおかしい。
久遠翔の縁談話によるものだ。

なにか翔がその件で俺に話があるのは明確だった。

仕事中に会社に電話がかかってきて、いまから出て来いという。
さすが、大企業の御曹司は自分中心で人の予定なんて全く考えない。

人の少ない古びた喫茶店で翔は俺の前に高そうなオーダーメイドのスーツを着て座っていた。
こんな古びた喫茶店にはまったく不釣り合いだ。

そして、翔が一言喋った時に俺は、翔が俺たちきょうだいのことについて知っているのだとわかった。
俺と翔の関係についても。

近藤建設で会った時はたぶん知らなかったに違いない。
そのあとどこかで調べたのだろう。

「なんですか?俺忙しいんですけど・・・?」

「お前・・・裏表激しいな。」

別に、全部知ってしまった翔に愛想をふりまく必要なんてない。
なおの想い人なんて俺にとってはムカつくだけのやつだし・・・。

「どうとでも・・・。
俺はあんたにへつらう義理はないんでね。」

俺が両手を広げて肩をすくめて言ったところで、間髪入れずに翔が言った。

「俺に今縁談話が持ちかかってる。」
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