オレ様御曹司 と 極上KISS
~一条なおside~

「あなたね。わたくしと翔様の結婚の邪魔をするのは。」

翔が会議に行ってしまうと、百合園瑠璃子はドカッと翔の椅子に腰を下ろし、ハイヒールのまま足をテーブルの上にのせた。

「・・・」

あまりの態度の変わりように言葉も出ない。

声色まで変わってしまっている。
そして、あんなにあどけなかった表情はまるで般若のようにゆがんでいた。

この女・・・。実は策士なんじゃ?

「わかってるわよね?百合園財閥の力。
あなたを潰すのなんて簡単。KNグループだって百合園の前では蛇ににらまれたカエルのようなものなのよ?
翔さまのことだっていつでも潰そうと思ったら潰せる力を持ってるのよ。わ・た・し・は・・・。」

そして、ハハハハハハと高らかに笑った。

「・・・・」

「翔様にふさわしいのはわたくし。あなたみたいな下民が翔様の横にいていいわけないわ。
さっさと会社を辞めてどこかへ消えなさいよ。」

下民・・・。

「わたしだってここに入るのに苦労したんです。あなたにわたしをやめさせる権利はないはずです。」

あまりの言いように思わず言い返した。

「言うわね。下民のくせに。」

何を言ってもひるまない。
翔の前でのあのおしとやかな態度は演技なのか?

「お帰りください。ここは会社です。社員以外立ち入り禁止です。」

わたしがそういうとやっと瑠璃子は立ち上がり扉に向かった。

「今日のところは帰るわ。
けれどあなたのことは絶対排除してやるから・・・。年が明けるころにはわたしが翔様の横に立って婚約披露パーティーをやっていることになるわよ。見てなさい。」

瑠璃子は吐き捨てるように言うと、ニヤリとほくそ笑んで出て行った。
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