オレ様御曹司 と 極上KISS

「瑠璃子ちゃんのお父様が生きていたころは百合園系列の会社はすべてお父様が実権を握ってらっしゃったので百合園家はとても繁栄してました。
けれどお父様が亡くなってから・・・おばあ様が権力をにぎられるようになって・・・もう会社の経営は全部、実質は現在の幹部の人たちにゆだねてらっしゃって、株式だけ百合園家が持っている状態が続いていました。」

茉由さんはいったん話を切ってお茶を飲んだ。

「ごめん。のどかわくよね。」

「大丈夫です。
お気になさらず・・・。
おばあさまはもう御歳も御歳。その娘さんの瑠璃子さんのお母さんはまったく経営などには疎い方で、株主総会にだけ顔をだして、文句だけは言うものだから、幹部たちはおもしろくなくて、百合園家を切りたいと思っていた。
百合園の人たちは財閥神話のようなものを持っていて、財閥以外の人間を下々の者だと思って下げずんでいる。
それも気に入らない。
当然ですよね。それで、幹部たちは百合園家の持ち株以外の株式を全部買い占めて百合園家を株主総会から追い出そうと画策していると兄から聞いています。」