オレ様御曹司 と 極上KISS
その後、会長と庭の花壇をそぞろ歩いた。

翔は席をはずせと言われて、最初は憤慨したが、会長の剣幕に押されて仕方なく客間でテレビを見ながら待っていた。


「この花綺麗ですね。」

わたしは思わず花を手にとった。
秋なのにきれいな色をした花を咲かせている。

「ああ、これはダリアじゃな。この花が好きか?」

「はい。綺麗です。」

「はっはっは。やはり琴に似ておる。琴もこの花が好きじゃった。」

「そうですか・・・。祖母をご存知な人と話せることがうれしいです。わたしにはもう弟しか身よりはおりませんから・・・。」

「ご両親はバスの事故で他界されていたな。確か・・・。」

「はい。」

やはり・・・調べられているわけね・・・。
まぁ・・当たり前か。

「琴がわしのもとを去った原因は・・・わしが会社を大きくすることに必死で、その当時社交界の花形だった百合園の令嬢に夢中になってしまったためじゃ。
なんとかして百合園と結婚して血縁をつくりたかった。
まぁその令嬢も美しい娘じゃったから・・・恋をしたと勘違いをしたのかもしれん。
あと一歩で結婚できると思った時に、その令嬢は言ったのじゃ。
『あなたのような下民とは結婚できませんわ・・・。』とな・・・。
そのころにはもう、琴はいなくて・・・わしはひとりになってしもうた。
まぁそのあと、徹の母親と出会ったわけではあるがな・・・。」

わたしはダリアの花を一輪摘んだ。

「なおさん・・・。翔はわしと似て勝手もんじゃが・・・よろしく頼む。
今回のことはすまなかった。
わしが昔の百合園神話にまた支配されそうになるところじゃった。
家柄なんて意味はないものに結局最後まで支配されてしまう・・・。わしらの世代はダメじゃのう・・・。」
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