オレ様御曹司 と 極上KISS
仕方なく1人淋しく帰ろうと、地下のパーキングに降りると、ぎょっとした。

「藍子。またいるのかよ。」

「また来ちゃった。送って。」

「やだね。自分で帰れ。
ここは会社だ。仕事が終わったら自分で帰るのが規則だろ。
お前を送る義理はない。」

俺は心を鬼にしてそのまま帰った。

まさか、ここにきて藍子がからんでくるとは思わなかった・・・。
俺の中ではもう終わっていたことだから・・・。


結局、気まずい雰囲気のまま火曜日・・・水曜日・・・と日は流れていき、また週末になった。

金曜日の今日は会食だった。

帰り道・・・

世間は夏休みに入ったところらしく、遠くのほうで花火の音が聞こえる。

俺もいつか・・・こいつと花火見たりできる日がくんのかなぁ・・・?

花火見たらこいつ笑ってくれんのかなぁ・・・。

外の景色を眺めながらそんなことを考えているうちに、マンションについてしまった。

あ、そういえば運転手に何も言わなかったから・・・

いつもどおり金曜日は俺のマンションだと思ったに違いなかった。

運転手にいまさら何も言えなくて、そのままなおを伴ってマンション前で降りた。

「あ・・・の・・・。」

なおが何か言おうと口を開いたけれど・・・

「帰っていいですか?」

というのはわかっていたし、絶対に言わせるもんかと思って、俺は強引になおの腕をひっぱってマンションのホールに入っていった。

運転手が気を利かせたのを逆手にとってやる・・・

ここで決めなきゃ男じゃない。

それで振られたら・・・もうあきらめるしか・・・ないのだから・・・。


意を決してホールに入ると・・・


そしたら・・・

そこで待っていたのは・・・
意地悪な笑みを浮かべた藍子だった・・・。
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