【完】さつきあめ〜2nd〜

けれど、近所に住んでいた少しだけ年上の彼女は違っていた。
本当の姉のようにわたしに接してくれて、彼女にだけ心を開けた自分がいた。
小さな頃からずっと一緒にいたけれど、高校を卒業した彼女は上京した。

「そして、七色グループに入った…」

「それって…」

「ONEにいたんです…。
あたしは彼女から話を聞いてただけだし、実際あった事を見てたわけじゃなくて
けれどいつも宮沢さんの話をする彼女は幸せそうでした。
けれど…宮沢さんはゆりさんと付き合って、彼女を捨てた。1回地元に帰ってきた彼女はあたしの知ってる彼女じゃなくて、今にも消えてしまいそうだった。
その後少し経ってから交通事故で死んじゃったんです…」

「あなた、皐月の知り合いだったの…?」

皐月。
皐月は、朝日がつけたさーちゃんの源氏名だ。
自分の女に花の名前をつけるのが好きな、朝日らしい名前。

「確かにあれは交通事故で誰が悪いって話でもないし、宮沢さんがゆりさんを選んだのも誰が悪いって話じゃない。
それでもあたしは宮沢さんもゆりさんも許せなかったし、2人にどうしても負けたくなかった…。
下らないかもしれないけど…あたしはそんな理由で七色グループに来たんです…」

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