【完】さつきあめ〜2nd〜
さーちゃんが好きだった朝日は、わたしにとって憎むべき存在。
光の事がなくても、好きになってはいけない人で
好きになる事自体を許せなかった。
ゆりを選んだ事も、壊れた玩具のように必要となくなればすぐに捨てる事も、全部全部許せなかった。
全てを話した後、無言で由真はわたしを抱きしめた。
「皐月の事はあたしもよく知ってる…。
ONEでゆりの前にナンバー1だった…。あたしも仲良くしてたし、皐月を可愛がっていた…。
まさかさくらちゃんと皐月が知り合いだったなんて…」
わたしを抱きしめる、由真の手が少し震えている。
「わかっているんです…。あれはただの事故で
宮沢さんもゆりさんも悪くないって…」
「うん…。でも誰かのせいにしないとやりきれない死ってあると思う…」
「宮沢さんの事を知って…付き合ってきた女の人を大切にしてきた事は理解したんです…。だってその証拠が今THREEで働いている菫さんやゆりさんだから…。
けれど…宮沢さんを好きな気持ちと同じくらい、宮沢さんをどこかで許せない自分がいるんです…」
由真の胸で、子供のように泣きじゃくるわたしに、彼女は何も言わずに優しく抱きしめてくれた。