【完】さつきあめ〜2nd〜

「沢村さん、いつもいつもありがとうございます!
さ!指名の卓頑張ってこなくっちゃなぁ~!!」

「お、やる気まんまんですねぇ!!」

朝日との事は、レイと由真には話した。
レイは「さくらちゃんが幸せならそれでいい」といつも通りの笑顔を見せてくれて、由真はやれやれと言った感じでなんだかんだ喜んでくれていたっぽい。
由真には最初に色々な話をして、やっぱり恩がある。
双葉で働く事を誘ってくれたのも由真だったし、やっぱり双葉を辞める気は全然なかった。
美月は相変わらずで、あれからはちゃんと出勤はしているようだけど、あまり仕事に身が入ってなかった。
8月の売り上げで双葉ですらナンバー10以内にも入っていなかったけど、それでもご機嫌で、楽しそうに仕事をしていた。そんなところが何となく安心していた。

朝日とは。

「ただいまー」

「遅ぇ」

「うわ!びっくり!こんなところにいないでよ!!」

仕事から帰って朝日の家に行くのが日課になっている。
今日も今日で帰って玄関の扉を開けた瞬間に朝日が立っていた。

「お店の女の子と話してたんだよ~」

そんな事お構いなしに家に入っていく。
朝日はすぐにわたしの腕を掴み、後ろから抱きしめてくる。

「酒臭い」

「聞いて聞いて今日シャンパン3本空けたの~!えらいでしょ~!褒めて~!」

「全然偉くねーよ。あんまりお店で酒を飲むな。茶を飲め、茶を」

「仕事になりませ~ん!!」

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