【完】さつきあめ〜2nd〜
「そうね。レイはそういう感じの子ね。
有明に管理されてた時は実際そうだったろうし、元々も若いお客さんに好かれるような容姿をしてるからね。
あの子は結構男に流されやすい性格って自分で自覚もしてるだろうし、それならあたしの管理下でいたほうがずっとあの子の良いところを引き出せているはずよ」

「いや、それはそうだと思います。
だって双葉に移ってからのレイさんの成績もよく見てるし…」

「ああいう感じの子を可愛いって思う年配のお客さんは実は沢山いるの。
レイ自身が自分で年配のお客さんに苦手意識を持ってただけで
その証拠にあの子が双葉に来てからの成績は双葉に来てから掴んだお客さんがほとんどなの」

「そうなんですか？！」

何となくその話を聞いて、レイが光についていかずに双葉に残ったのは、由真の存在が大きかったのではないかと思った。
あの頃光に認めてもらいたくて、枕営業に色恋営業ばかりしていたレイ。
でもそんなレイが由真という存在に出会って変わったのではないかと思った。
自分の生き方に影響を与えるのは、異性だけではないのだ。そう考えれば、由真への恩返しとしてレイが七色グループに残ったというのなら納得出来る話だ。あの頃のレイは光の為なら枕営業だろうと何だろうとするぐらい光が絶対的な存在だったから。

「あ、沢村さん。ちょうどいいところに来た。
今日から入ることになったさくらちゃんね。
まぁＴＨＲＥＥのナンバー１さんだったから知ってると思うけど」

由真と話していると、黒いスーツを着た長身の男の人が店内に入って来て、私たちに気づくと柔らかい笑顔を浮かべて頭を下げてきた。

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