【完】さつきあめ〜2nd〜

「それってプロポーズみたい…」

「俺、何回お前にプロポーズして、何回断られなきゃいけないの?」

「でもあたしは文月のママになったばかりだし、まだまだしたい事もあるし~」

「はぁーーー…」

「でもあたしは、あなたといたいと思う。
この先も何度だって離れてしまっても、結局あなたと一緒にいたいと思う未来を願ってしまうんだと思う」

運命なんて信じない。
けれど、人生の道が1本だったとして
沢山の人との出会いや出来事の中で、それが無数に枝分かれしたとして
別れを選ばなきゃいけないシーンがあったとしても
その道を何度も修正しようとして、結局あなたへ続く道を選んでしまう。

これが運命以外の言葉で言い表せれないんだよ。
わたしはそれ以上の言葉を、知らない。

「それって……」

「朝日みたいな人、あたしみたいな女じゃなきゃ面倒見れないでしょ?」

「は?!お前偉そうだな?!」

「あたしじゃなかったら朝日なんて誰とも結婚出来ないし老後は絶対にひとりぼっちになるよ?!」

「本当にクソ生意気な女」

「そのクソ生意気な女に惚れこんでるなら仕方がないねぇ~…」

1輪の薔薇を朝日の鼻先をくすぐるように揺らす。
すると、少しはにかんで朝日が生意気な顔をして笑う。


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