壊れそうなほど。
『えっと……そんなのもう、昔の話だよ』
沙奈はなんでもない風に、あはは、と軽く笑って答えた。
「昔? 昔って、いつの話?」
『え? ……もう2年半くらい前だよ』
てっきり高校の頃、とか言うと思ったのに、2年半なんて、やけに具代的な数字だ。
「ふーん」
相槌を打ちながら、ん? と首を傾げた。
「ね、2年半前って、沙奈が大学生で佑介まだ高校生だよね?」
『えっ? あー……』
深く考えずに答えてしまったのか、沙奈は気まずそうに返事をした。
「ユッキ~、沙奈ここに呼べよ~」
隣から、酔っ払いの金髪がわけわかんないことを言ってきたのを無視して、俺はさらに突っ込む。
「その頃も会ってたの? 確か二人の地元、仙台じゃなかったっけ」
『……実家帰った時とか?』
そんな頻繁に実家帰る? わかんないけど、なんか違和感。