壊れそうなほど。
仕方なく部室に入ると、派手なピンクの頭の、やたら可愛い顔した男の笑顔に迎えられた。え、誰?
「沙奈ちん!」
「ヤスくん! おかえり!」
「ただいまー! あ、そっちがユキちん?」
沙奈が俺に「ギターのヤスくんだよ」と紹介した。ペコッと頭を下げたら「よろしくねっ」と軽い返事が返ってきて焦る。
コミュ力高そう。俺と正反対だ。これから一緒にギターやっていけるんだろうか。不安。
とりあえず準備していたら、ドアが開いて佑介が入ってきた。どうしよ、気まずい。
「おう、ヤス。久しぶり」
「佑ちん、連絡ありがとねー」
幸いなことに、佑介はヤスと話している。と思ったら、
「あ、ユッキー。コイツがヤスね」
急に話しかけられてびびった。
「ヤス、コイツがユッキー。沙奈の彼氏」
「「「ええっ?」」」
沙奈と俺と、今ちょうど入ってきた多田さんの声がハモった。そりゃそうだ、沙奈の彼氏は啓吾なんだから。
もうやだコイツ。酔ってなくても爆弾落とすのかよ。


