壊れそうなほど。
部室は大学のいちばん奥だから、自転車で向かった。正門まで押して、構内は2ケツ。もう授業が終わってるのか、人はあんまり歩いていない。
沙奈が発声練習がてらか、新曲を口ずさむ。俺もハモリがあるから、それに合わせて一緒に歌う。
なにこれ、なんか青春っぽい。青春どころか内情ドロドロだけど。
俺達はとにかく仲がいい。自分が彼氏じゃないことを忘れそうなくらい。てか、実質俺の方が沙奈と一緒にいるから、俺が彼氏みたいなもんじゃん。……早く別れてくんないかな。
部室の前に着いたら、途端に気が重くなった。佑介とは、おととい以来初めて顔を合わす。微妙に気まずい。昨日メッセージで『わりい、なんも覚えてねー』って来たけど、ほんとかよ。
それに元カレって知ってしまって、余計に気まずい。
でも俺の躊躇いなんかお構いなしで、沙奈がドアを開けた。