私たちの六年目
せめて俺のことを好きだと言ってくれたら。


俺の子ではない子を育てることも。


どんなにつらいことも、耐えられるかもしれないから。


「うん……。ちゃんと好きだよ……」


梨華が、俺の目の前でそう言った。


「本当に……?」


本当に俺が好き?


俺のこと、ただの金づるだとは思ってない?


厳しい両親に怒られるのが怖いから、都合良く恋人にあてがったわけじゃない?


俺の質問に、梨華がゆっくりと頷く。


「大丈夫。

秀哉のこと、大好きよ。

私達、きっと良い夫婦になれるわ」


俺の手を握る指に、ぎゅっと力を込める梨華。


そして、にっこりと笑うと。


ゆっくりと顔を近づけて。


俺の唇に、


自分の唇を重ねた。


それは少しの間、重なって。


静かに離れていった。
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