私たちの六年目




「郁未、梨華は?」


「今夜は来れないってさ。さっきLINEが来た」


「そっか……」


毎週集まる居酒屋に、今日は梨華が来ていない。


「まあ気まずいんでしょう?

不倫していることが、あたし達にバレちゃったから」


郁未の言葉に、思わず溜め息が漏れた。


今までずっと5人でいるのが当たり前だったから、ひとりでも欠けると、やけに寂しく感じてしまう。


「俺のせいかな? 俺が追いつめるようなことを言ったから……」


「いや、秀哉だけじゃない。オレも責めるようなこと言ったし」


「別に、守も秀哉も悪くないわよ。

いけないことをしてるは梨華だし、友達ならやめさせようとして当然じゃない。

大丈夫よ。あの子って寂しがり屋だし、そのうちまた来るようになるわよ」


郁未の言う通りなんだろうけど。


それはきっと、時間がかかることだよね……。


「まぁ、あたし達が沈んでてもしょうがないし。

今夜は4人でパーッと飲もうよ」


「そうだな」


「ああ、そうしよう」


「わかった。じゃあ注文するね。適当に頼んじゃっていい?」


私の言葉に頷くみんな。


5年も付き合いがあると、全員の好みはわかっているし。


こういう関係は、やっぱりラクだよね。


そんなことを思いながら、タッチパネルを操作していたその時。


「菜穂さん」


背後から聞き覚えのある声がした。
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