私たちの六年目
秀哉の話に、黙って耳を傾けていた郁未と守。


しばらく沈黙が続いていたけど、ようやく守が口を開いた。


「当たり前にそばにあるものって、その大切さに案外気づかないものなのかな……」


「そうね。あたし達、いつも一緒にいたしね。

身近過ぎたっていうのはあるよね……」


二人の言葉に、頷く秀哉。


「菜穂が俺の元から去って、ようやく気付いた。

どれだけ菜穂が、俺にとって大切な存在だったか……」


そう言って秀哉が私を優しい瞳で見つめるから、急激に頬が熱くなった。


「ねぇ、菜穂」


「ん?」


急に郁未が私の方を向くから、ちょっとドキッとした。


「菜穂は、こんなに遠回りした秀哉を受け入れられるの?

菜穂はずっと、秀哉が梨華に片思いしている姿を見てきたし。

実際梨華のことで相談もされてたのよね?

挙げ句の果てに、目の前で梨華にプロボーズした姿を見せられたのに。

実は菜穂が好きだなんて言われて、許せるの……?」
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