私たちの六年目
菜穂に告白された俺は、自分でもビックリするくらいに心が揺れていた。


だけど、梨華と結婚することにした俺とはもう会えないって菜穂に言われて。


菜穂と連絡が取れなくなってしまった。


大学の頃から当たり前のようにずっと会っていた菜穂に会えなくなると、俺の心にぽっかりと穴が開いたみたいで。


俺……、寂しくてたまらなかった。


最初はさ、親友を失った悲しみなんだと思ってた。


でも、日に日に菜穂への思いは強くなっていって。


梨華と一緒にいても、頭の中は菜穂のことばっかりで。


菜穂が恋しくてたまらなかった。


そんな時だよ。


俺、梨華にキスされたんだけど。


その時に異常なほど違和感を感じたんだ。


5年も好きだった梨華とキスをしているのに、心が全く動かない。


むしろ、どんどん冷めていくんだ。


キスってこんなものなのか?


そうじゃないよなって。


そう思ったら俺、どうしても確かめたくなって。


仕事終わりの菜穂に会いに行って、半ば強引に菜穂にキスしたんだ。


そうしたら身体がすごく熱くなって、胸がどうしようもなく高鳴って。


そこでようやく気付いたんだ。


菜穂への思いは友情じゃない。


恋愛感情で、菜穂のことが好きなんだって……。


これが、俺が自分の本当の気持ちに気づいた経緯だよ……。
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