私たちの六年目
私達の出会いは、今から5年前に遡る。


私達が通っていた大学には、それはそれは数多くのサークルがあったけど。


中でも部員数が極端に少ない殺陣部に集まった一年生が、私達5人だった。


殺陣に興味があること自体かなりマニアックなせいか、私達はとても気が合って、いつも5人で過ごしていた。


そして、それは大学を卒業した今も続いている。


「それにしても、あたし達って相変わらずリア充とは程遠いよね。みーんな恋人がいないんだもん」


郁未が、枝豆をつまみながら言った。


「せっかくの金曜の夜に毎回同じメンバーで飲んでるから、出会いがないんだとも言えないか?」


秀哉の言うことは、ごもっともだよね。


でも、これに慣れっこの私達は、今さらこの習慣を変えるのはなかなか難しい。


「えー、でも梨華。お前は今恋人がいるだろう?」


守の言葉に、みんなが一斉に梨華の方を向いた。


だけど、当の本人はいたって冷静に「どうして?」と尋ねた。


「数日前に見たんだよ。

お客さんのところに行った帰りに○○駅で。

19時半くらいだったかな。

男の人と腕を組んで歩いてただろう?」
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