私たちの六年目
崎田君の言葉に、ドクンと心臓が揺れた。


「最初は先週の金曜日で。

二回目は、今週の火曜日に……」


うそ……。


崎田君、私が秀哉に会っていることを知ってたの?


「何やってるんですか?」


「え……?」


「秀哉さんには、しばらく会わないんじゃなかったんですか?」


そう問いかける崎田君の顔は、怒りと悲しみに満ちていた。


「ご、ごめん……。

例の飲み会には行かなくなったんだけど。

そうしたら、秀哉がウチの会社までわさわざ来てくれて。

これからも会いたいとか、話がしたいとか言われちゃって。

どうしても断れなかったの……」


好きな男に毎週会いたいって言われて、嬉しくない女がどこにいる?


しかも、あんなにせつなそうに……。


私の言葉に、崎田君は大きなため息をついた。


「菜穂さんは結局、今の状況を変えなくてもいいと思ってるんですね。

それは、そうですよね。

このまま自分の想いを隠してさえいれば、親友としてのポジションを保っていられる。

その方が、秀哉さんを忘れるよりずっとラクですもんね」
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