私たちの六年目



「江坂ー。次、休憩入っていいぞー」


「はーい」


今日は屋外でのイベント。


この頃蒸し暑くなってきて、正直身体はきついけど。


イベントは夏の方が稼ぎ時だから、頑張らないといけないよね。


「あー、涼しいー」


スタッフ用の休憩室に入ると、思わず声が漏れた。


やっぱり冷房が効いた部屋って最高。


イベントによっては、休憩室も屋外の時があるもんね。


ありがたいなと思いつつ、お弁当の入ったコンビニの袋を手にしたその時、休憩室のドアがガチャンと開いた。


誰かな?と思って目を向けると、私と同じく休憩時間になった崎田君が立っていた。


「崎田君、お疲れ様」


「……お疲れ様です」


あれ?


なんだかちょっと機嫌が悪い?


いつもの可愛らしい笑顔はどこへ行ったんだろう。


崎田君はスタスタと歩いて私の隣に立つと、自分のカバンから紙袋を取り出した。


なんとなく横目で観察していると、なぜかそのままその場に立っている崎田君。


なんだかよくわからないまま、椅子と机のある場所へ移動しようとしたその時。


「菜穂さん……」


崎田君が私の名前を呼んだ。


「何……?」


どうしたんだろう。


今日の崎田君、なんだかちょっと怖い。


一体、どうしたって言うの……?


「菜穂さん……。


秀哉さんと会ってるでしょう……?」
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