私たちの六年目
「それなのに、私とキス出来るんだね」
梨華のことが、死ぬほど好きなくせに。
彼女以外、眼中にないくせに。
「ごめん、菜穂」
ズキンと、胸の奥に痛みが走った。
そんなふうに謝られると、私とのキスは間違いだったと言われているみたい。
「俺にこんなことされて、すげー迷惑だったよな……」
「迷惑っていうか……。
どうしてなのかなって」
ただ、その理由が知りたいだけ。
「さっきも言ったけど。
このことをうまく説明出来ないんだ。
大学2年のあの夏の日。
菜穂の顔を間近で見ていたら、どうしてもしたくなった。
そんなことしたら、友達でいられなくなるかもしれないのに。
なのに俺、そのリスクを考える前に行動に移してた。
してる時は何も考えられないのに、終わった後は複雑で……。
菜穂に何を言っていいのか、わからなかった……」
そうだったんだ。
あのキスの後、このことに一切触れなかったのは。
私に何を話していいのかわからなかったんだ……。
梨華のことが、死ぬほど好きなくせに。
彼女以外、眼中にないくせに。
「ごめん、菜穂」
ズキンと、胸の奥に痛みが走った。
そんなふうに謝られると、私とのキスは間違いだったと言われているみたい。
「俺にこんなことされて、すげー迷惑だったよな……」
「迷惑っていうか……。
どうしてなのかなって」
ただ、その理由が知りたいだけ。
「さっきも言ったけど。
このことをうまく説明出来ないんだ。
大学2年のあの夏の日。
菜穂の顔を間近で見ていたら、どうしてもしたくなった。
そんなことしたら、友達でいられなくなるかもしれないのに。
なのに俺、そのリスクを考える前に行動に移してた。
してる時は何も考えられないのに、終わった後は複雑で……。
菜穂に何を言っていいのか、わからなかった……」
そうだったんだ。
あのキスの後、このことに一切触れなかったのは。
私に何を話していいのかわからなかったんだ……。