私たちの六年目
「ねぇ、どうして?
どうして私に会いに来たの?」
わざわざ私の職場にまで来て。
これからも毎週会って欲しいだなんて……。
「どうして崎田君に渡したくないなんて言ったの?」
崎田君が私のことを好きだと知って、もう二人きりで会うのはやめようかって話した時も。
嫌だって言ったのは、秀哉だった。
それから……。
「なんで……。
なんで私にキスしたの……?」
私の手に触れたり、軽く肩を抱いたり、髪を撫でたり……。
秀哉がそんなことをするから。
だから、私は秀哉を忘れられなくて。
変に期待して……。
ますます好きになってしまったんじゃない。
「ねぇ、私って秀哉の何?
つらい時、なぐさめてもらえるから。
自分に都合が良いから会うだけの存在?
私のこと、ずっと利用してたの?」
私の問いに、無言で首を振る秀哉。
そう聞けば、秀哉は否定するだろうけど。
でも……。
「どれだけ私と会ったって。
二度もキスしたって。
結局、秀哉が選ぶのは梨華なんだから。
秀哉に、そんな自覚がなかったとしても。
結果的に……。
利用してたってことに、なってしまうんじゃないかな……」
どうして私に会いに来たの?」
わざわざ私の職場にまで来て。
これからも毎週会って欲しいだなんて……。
「どうして崎田君に渡したくないなんて言ったの?」
崎田君が私のことを好きだと知って、もう二人きりで会うのはやめようかって話した時も。
嫌だって言ったのは、秀哉だった。
それから……。
「なんで……。
なんで私にキスしたの……?」
私の手に触れたり、軽く肩を抱いたり、髪を撫でたり……。
秀哉がそんなことをするから。
だから、私は秀哉を忘れられなくて。
変に期待して……。
ますます好きになってしまったんじゃない。
「ねぇ、私って秀哉の何?
つらい時、なぐさめてもらえるから。
自分に都合が良いから会うだけの存在?
私のこと、ずっと利用してたの?」
私の問いに、無言で首を振る秀哉。
そう聞けば、秀哉は否定するだろうけど。
でも……。
「どれだけ私と会ったって。
二度もキスしたって。
結局、秀哉が選ぶのは梨華なんだから。
秀哉に、そんな自覚がなかったとしても。
結果的に……。
利用してたってことに、なってしまうんじゃないかな……」