恋の宝石ずっと輝かせて2

 二度と会えることはないと思っていた人。

 自分の中に意識が残っていたとわかっても、いざ本人が目の前にはっきりと現れるとユキは胸がいっぱいで言葉など忘れてしまっていた。

 その気持ちを汲むように、トイラは透き通るほどのまばゆい光を帯びた緑の目で優しく見ている。

 お互い触れたくても触れ合えないもどかしさは、はかないこの一瞬に全てをぶつけて燃え尽きたいと激しく願ってしまう。

 その情熱で燃え滾った空気は陽炎のようにたゆたっているようだった。

 その思いつめた状態を誤魔化そうと、トイラは突然鼻で笑うように声を出した。

「ユキ、久し振りだな」

 トイラの粋がった微笑みが、再びユキに向けられた。

「トイラ……」

 ユキはボロボロと涙をこぼし、目の前がぼやけてしまった。

 それを拭ってやりたいとトイラの手が微かに動いていた。

「何を泣いている。久しぶりに会えたんだ、俺のために笑ってくれ」

 ユキは文句の一つでもいいたい感情が湧くが、涙を拭えばただ抱きしめたい、触れたい気持ちが勝って胸がいっぱいになって何も話せない。

 二人の空間は言葉にできない思いだけが存在する。

 トイラはこの限られた時間の中にいるにも係わらず、飾らず素のままに言葉を掛けた。

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