恋かもしれない
「は、はいっ、すぐに」

すぐ傍にあるスライドドアを開けたら、そこじゃなくて助手席に乗ってくださいと言われて急いでドアを閉めて反対側へ回る。

見た目よりも車高が高くて、階段を上るようにヨイショと乗り込むと、岩田さんはすぐに車を走らせた。

「すいません、車の中散らかってまして。昨日子供たちを試合に連れて行ったままなもので。綾瀬さんを乗せるために、助手席だけは綺麗にしました。気になりますか?」

「い、いえ、平気です」

確かに、後部座席には未開封のペットボトルやお菓子の袋が転がっていた。

昨日は車の中が賑やかだったんだ。自分の車に乗せていくなんて、先生って大変なのだ。

「今日は僕の地元にあるテーマパークに行こうと思ってます。いいですか」

「はい、かまわないです」

テーマパークなんて、県内にあったかな?

思いを巡らせていると、車は高架にある道路を一時間ほど走り、大きな駐車場に入った。

周りは田や畑ばかりで、遠くの方に集落が見える。

とても田舎な場所にあるけれど人気があるみたいで、駐車場には続々と車が入ってきて、入場券売り場には人か並んでいる。

県内にこんなところがあるなんて、知らなかった。

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