恋かもしれない
気分よく待ち合わせ場所に向かおうとすると、岩田さんは教室の入り口近くで待っていた。

壁にもたれて腕組みをしたまま、教室から出た私を見ている。

もしかして、かなり待たせちゃった? 

つい夢中になっていたけれど、時間は目安の四十分を超えていない筈。

機嫌が悪そうに見えるのは、気のせいなのかな。

「あ、すみません、お待たせしましたか」

「いいえ、それほど待っていません。じゃ、飯に行きますか。どこで食べるか待っている間に決めておきましたから、早く行きましょう」

岩田さんは先立って歩いていき、外に出た。

「ああ、少し雲行きが怪しいですね。あれ、こっちに来るかなあ」

言われて空を見上げれば、パーク上空は晴れているけれど、遠くの方に黒い雲が見えていた。

「天気が崩れる予報ではなかったけれど、どうなんでしょう」

お天気サイトからの情報は『晴れ』だった。

空を気にしつつ岩田さんの後をついて行くと、池のほとりにあるレストランに入った。

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