恋かもしれない
「行ってきます。ラインいれますから」

「はい。いってらっしゃい」

手を振って、セキュリティチェックに向かった松崎さんの背中が見えなくなるまで見送る。

「行っちゃった」

まだ頬に唇の感触が残っている。

今度会えるのは数か月後……。

「寂しいな」

空港の人に見送りができる場所を聞いて、柵の中から松崎さんが乗るであろう飛行機をじっと見つめる。

飛行機がゆっくり滑るように動き出して、空にぐんぐん上がっていく。

飛行機の点滅する光が、星の瞬きに交じって消えるまで、ずっと、空を見上げていた。


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