恋かもしれない
***

瞬く間に日は経っていき、今日は約束した日曜日だ。

「まだ五時半じゃないの……早すぎ」

目覚ましセット時刻より遥か前、まるで遠足に行く子供のように早く起きてしまった。

とはいえ二度寝する気にもなれず、のっそり起き出してカーテンを開けた。

外は快晴。既に昇った太陽が家々の屋根を照らしている。今日も暑くなりそうだ。

部屋の掃除と洗濯を済ませ、おまけにシャワーまで浴びて、身支度を始める。

昨日買ったばかりのネイビーギンガムのフレアスリーブワンピを着て、鏡の前に立って見る。

「これで、いいかな」

くるんと一回りすれば、袖と裾についたシフォンがふわりと揺れる。

軽やかで、涼しげに見えてとてもいい感じだ。

「買って正解だったな」

いつもカジュアルな服装ばかりしていたけれど、意外にも似合っていて、自分でもびっくりする。

ウェストに大きなリボンのあるこの大人可愛いワンピは、昨日買い物に付き合ってくれた美也子さんが選んでくれた。

普段入ったことのないお店に連れて行かれ。

『奈っちゃんは、きっちり可愛い感じのお譲さまスタイルが似合うと思うわ』

あれこれいろいろ薦めてくれたなかで、お値段が手頃で色合いも無難なこれに決めた。

『お洒落して自分が可愛いと自信が持てれば、男性とも話しやすくなると思うわ。それにお相手も、もっと奈っちゃんと話したいと思うはずよ。頑張って!』

昨日の帰り際、私に向けてくれた美也子さんのエールだ。

松崎さん、この格好を見てどう思うかな。

今日は緊張しても頑張ってお話して、好みを聞き出さなくちゃ。

< 43 / 210 >

この作品をシェア

pagetop