ストーカーと王様と時々アサシン
第2章
◯自宅アパート・ドアの開いた玄関(夜)



驚愕の事実にスマホを操作する手が止まる。


いやいや、職業警官でも列記とした住居不法侵入なんだから犯罪者だよ!


通報通報!


止まっていた手を素早く動かす。


潔「ですが、来月には退職しまして、日本ホワイト株式会社のCEOに就任致します。」


また私の手が止まる。


日本ホワイト株式会社…


日本でその名を知らない人はいないであろう、超有名会社…


私の勤める会社の取引先であり、こことの契約が切れたら確実にウチの会社は潰れる最重要顧客。


そのCEO…


栗林さんは話を続ける。


潔「特技はハッキングとピッキング。」


なるほど、それで家に入れたわけだ…


潔「趣味は柳さんです。」


ストーカーだけにね。


ここで、栗林さんは始めて顔を上げた。


目が合い、私の心臓は不覚にも大きく跳ね上がった。


パッチリと大きな目に、弧を描く少し薄めの唇、ハーフなのか髪も瞳の色も日本人にはない風合いだ。


つまり、ビックリするほどのイケメンなのだ。


潔「これからよろしくお願いします。」


頭を下げた栗林さんに、

柳「はあ、こちらこそよろしくお願いします…」

と、驚きで思考が鈍る私もペコリと頭を下げたが…


何がよろしくなの!?


えっ!?えっ!?何が!?


直ぐに自分への突っ込みが次々入る。




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