学校一クールなキミのお世話係になりました
イケメンって意外に大変なんだな。


でも帰りに私が、一緒に持って帰ってあげたらいいんだし。食べ物は冷蔵庫にいれといてそれからそれから。


頭の中で瞬時に、今日の段取りを組んでいた。


「行こう」「うん」


また私の手を引いて教室までの廊下を一緒に歩いていくと、1年生の教室前を通るときが大変だった。


手作りのお菓子か何かが入った紙袋を手に持った後輩の女子生徒たち7人くらいが、ニコニコしながら近寄ってくるのを、彼は淡々と断っていく。


「いらない、俺こいつと付き合ってるからもう構わないで」


まさに血も涙もないのかと思うほどあっさりと切り捨てられた女子達は、がっくり項垂れるばかり。


私は小さくその子たちにごめんね、と呟いたけれど反対に凄い憎悪の目で睨まれた。


そっか、私は彼の恋人の役だっけ。そりゃ、憎いよね、私のこと。


なんだか損な役回りだなあ、後ろから刺されたりしないだろうか心配。

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