学校一クールなキミのお世話係になりました
本当の彼女でもないのに、なんで私がこんなことやらなきゃいけないんだろ。


心の中で、ブツブツ文句を言うけど、仕方なく彼の言う通りにした。


自分達のクラスに着くと、彼はようやく手を離してくれて、さっさと先に教室に入っていった。


え?もう用済みってことですか?


「おはよう、北原くーん、今日誕生日だよね」


早速、クラス1の美人の安藤さんに朝から捕まってしまう彼。


だけど、相変わらず興味がないような表情で会話も軽く聞き流している様子だった。


だけど、安藤さんはなかなかしつこく食い下がっている。


「北原君、今日、放課後2人で誕生日会しょうよ。うちに来てもいいから」


ニコニコ笑う安藤さんに、彼はあからさまに嫌な顔をしている。


そんな様子を彼の席の隣に座り、チラチラ見ていた。


別に気にしているわけじゃないんだけど、どうするんだろって成り行きを見守っていた。

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