学校一クールなキミのお世話係になりました
「あ、うん、そう保健室」


さっき授業をさぼってしまったことを慌ててごまかした。


まさか、あなたのことでヤキモチを焼いて、拗ねて憂鬱になって隠れてましたとは、さすがに言えない、言いたくない。


「そうか、今週ずっと俺んちに来てくれてたし、疲れてるのかもな。今日はもういいからまっすぐ家に帰れよ」


「え、でも今日は病院に寄る日だし、私も付き添うよ」


「病院くらい1人で行けるから。いいから。アンコは今日は帰ってゆっくり休めよ」


北原君は私を気遣うような視線を向けてくれるけど、本当に体調が悪いというわけではないので困ってしまった。


保健室に行っていたなんて適当な言い訳をしてしまったばかりに、彼に気を使わせてしまっているみたいだ。


じゃあなと、ポンと肩を叩いて席を立つ彼の後をしつこく廊下まで、ついていった。
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