学校一クールなキミのお世話係になりました

「う、うん、途中までは見てたよ」


「あの時、北原君が怪我してたのに、随分絡んでくるっていうか、闘志をむきだしに向かってくるもんだからちょっとびっくりしたよ。俺のことを目の敵にしてるみたいにマークしてきて」


「え、どうして？北原君が」


けれど、ふと思い当たることがあった。


たしか、体育の授業でサッカーをした日に、彼がそんなことを言っていたような気がする。


気に入らない相手を負かしてやりたかったとか何とか。


あれ、でも相手のほうが上手くて返り討ちにあったんだって悔しがっていたっけ。


あの相手は一ノ瀬君だったんだ。


だけどどうして、北原君が一ノ瀬君につっかかるようなことをするんだろう。


彼らは知り合いですら、ないはずなのに。


「彼、もう少しクールなイメージだったけどね。さすがに怪我してたから大変そうだったよ」