学校一クールなキミのお世話係になりました
そうなんだ、彼と私はつまりはこういう関係なんだ。


ただそれだけのはず。


だから彼のことでこんなに胸が苦しくなることなんておかしいんだ。


「怪我って彼の右手のこと?そう・・・そっか、月島さん大変だったんだね」


「あ、うん。私よりも北原くんが大変で。私を庇って手を怪我しちゃったからテストの点数まで下がっちゃって」


「北原くんは、月島さんを助けようとして怪我をしたんだね?」


「うん、そうなんだ」


話し終わると一ノ瀬君は、それから何かを考えこむような神妙な顔をしている。


「そうか、それであの時あんなにムキになってたのか」


独り言のように彼は呟く。


「なんのこと?」


「この前の合同体育のサッカーでうちのクラスと対戦した時のこと覚えてる?」

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