学校一クールなキミのお世話係になりました
私を見つめる彼は、なぜか物憂げな表情を浮かべている。


今日の北原くんはなんだか変だ。


こんなに自分のことを語ってくれることが珍しいかも。


どうしたんだろう。


自分の気持ちを話してくれるのが嬉しい反面、不安に思ってしまう。


どうしてそんな、寂しそうな瞳で私を見るの?


そんなに見つめられると、ドキドキしちゃうよ。


「そろそろ帰らないとな、送っていくよ」


「うん、待って待って、もうちょっとだけ」


言って、さっきのコンビニの袋を持ってくると、ダイニングの上に置いて椅子に腰掛けた。


中身を取りだして、開けてみる。


「北原くん、北原くん、ちょっときて」


ニコニコ笑って彼に手招きすると、戸惑いながらもこちらへきてくれる。


さっきコンビニで買ってきたショートケーキは、イチゴの甘い香りがする。

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