学校一クールなキミのお世話係になりました
誰かにやってもらったのかネクタイもちゃんと結んでいる。


その後も、授業ノートを写してあげようとしたら、コピーしてもらうからいいよとやんわり断られた。


昼食も私には何も言わずに友達と食堂に食べに行ってしまったし。


こんな調子で、なんにも手伝わせてもらえずに、下校時間になった。


「北原くん、かえろっか」


いつものように声をかけると、彼は動揺したように目をそらせた。


そしてしばらくしてから、きっぱり断られた。


「あー、今日はいいや、俺、遠藤達と寄るとこあるから」


「そっか、じゃあ夜、マンションに様子を見に行くね」


「あ、いや、それは」


北原くんがばつが悪そうに口ごもるので、私はちょっと首を傾げる。


どうしたんだろう、北原くん。

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