学校一クールなキミのお世話係になりました
もうっ、2人とも人の話なんて聞いてないんだからー。


「あれ見てみて、王子様がサッカーやるみたいだよ」


「え?」


もちろん京ちゃんの言う王子さまは北原湊その人しかいない。


見ると、確かに北原君が、サッカーをやるためにクラスのみんなの輪に入ってウォーミングアップをしている。


あれ?どうしたんだろう、右手を骨折している彼は体育は、見学するはずだったのに。


まあ、サッカーなら足を使うだけだからできないこともないのかな。


でも、普通の状態じゃないんだし危ないんじゃないだろうか。


大丈夫かな、とふと心配になって彼に目をやると視線が一瞬だけ交わったような気がしたけれど、すぐにそらされてしまった。


あれ?今のってわざとなのかな。

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