学校一クールなキミのお世話係になりました
どうしたんだろ、北原くん、機嫌が悪い?


ううん、気のせいか。


北原くんがサッカーに参加するとわかった途端にうちのクラスばかりか隣のクラスの女子たちまでがザワザワしだして熱い視線を送っている。


さすが、王子様。人気者だなぁ、確か運動神経もよかったよね。


いよいよ隣のクラスとの対戦試合が始まると女子達の黄色い声援が飛びかう。


「北原君、がんばってー」


クラスの男子たちの中にいても彼はひときわ際立って見える。


スラリと長い手足に、モデルのようにスタイルがいいシルエット。


まるで、特別なオーラを身にまとっているかのような北原くんは、悔しいけどやっぱりカッコいい。


右手には包帯がまかれていたけれど、そんなことは、ものともしないほど彼の動きは早くてドリブルも様になっていた。

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