学校一クールなキミのお世話係になりました
育ちゃんがたまらず、つっこんでくれたので、アハハと笑うけど内心は死ぬほど恥ずかしい。


さっきから、クラスの女子達の呪いの視線が背中に突き刺さるのを感じて悪寒がしていたけど、仕方がない。


北原君に食べさせてあげながら、私も自分のお弁当を食べなきゃいけないので、忙しくてそれどころではない。


「アンコ、次早く食わせて」彼が催促して口を開けて待っている。


え、ひな鳥ですか?


そんなぽかんと口を開けても可愛く見えてしまう、お上品な彼の顔立ち。


もうまったく、手のかかる人。


まるで小さくてわがままな子供に食事をさせているような変な気分だ。


だけど、ここは逆らったりできない。彼の怪我は全部私の責任なんだから。


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