学校一クールなキミのお世話係になりました
「美味しい?」「うん」


素直に答える彼の瞳は、眩しそうに私を見つめているような気がしてちょっと照れる。


やっぱり北原君は綺麗で優し気な顔立ちだ。


性格もこの見た目のままだったら、まさに聖人君子のようだったろう。


「アンコ、玉子焼きちょうだい」「はいはい」


パンだけでは足りなかったのか、私のお弁当のおかずまで欲しがる彼に玉子焼きを食べさせてあげる。


だけど、こんなこともあろうかと多めにおかずを詰めてきていたんだ。


「私が作ったの、美味しい?」
「・・・まあ」


だけど、彼はモグモグ口を動かしながら微妙な表情をする。


「この玉子焼き甘いから、明日から塩味にしてくんない?」


「うん」

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