学校一クールなキミのお世話係になりました



放課後、北原君が教室の掃除当番だったので、それを手伝っていた。


私は彼の代わりに箒で床を掃いていて、最後に彼がゴミ捨てにだけ行ってくれた。


それから帰るための準備をして、当然のように一緒に教室を出た。


彼が怪我をしてからのここ数日は毎日のように、家まで送って帰っている。


聞けば、彼は数か月前に私の家の真向かいに建てられた新築のタワーマンションに引っ越してきたばかりで、電車の最寄駅も同じだった。


北原くんは以前からそれを知っていたみたい。


たまに、私のことを家の近所や駅で見かけていたらしいけど。


私の方は、彼がまさかご近所さんだったなんて気がついていなかったんだ。

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