恋と眼鏡
「加代?」

「あっ、いえ、なんでもないです。
もう明後日ですもんね。
準備、急がないと」

ため息をついたところを鷹司さんに目撃されて、慌てて取り繕う。

……明後日。
明後日には祐典さまは奥方さまをお迎えになる。

お目出たいことなのに、素直に喜べない。
それどころか天変地異でも起きて、中止になればいいとか願ってしまう。

自分でも、なにを考えているのかわからない。


夜も更け、残りはまた明日にして部屋に下がる。
明日は今日よりさらに忙しくなる。
早く、寝ないと……。


ぱちぱちとなにかが爆ぜる音と、きな臭いにおいで目が覚めた。

「え……」
< 20 / 30 >

この作品をシェア

pagetop