恋と眼鏡
嬉しそうに笑う祐典さまはあのとき平気な顔をしていたが、肩に大やけどを負っており、しばらくは安静が必要だ。
鷹司さんが教えてくれたのだけれど、私がまだ残っていると知ると、いままで見たことがないほど祐典さまは取り乱し、まわりの制止を振り切って炎の中に飛び込んでいったらしい。
そんなに心配させた上に怪我まで負わせてしまったことは酷く後悔したが、それだけ祐典さまが私を想っていてくれたのは嬉しかった。
屋敷の一部が焼け落ち、祐典さまも大怪我をしてしまったため、婚礼は延期になった。
……が。
「祐典!」
ノックもなしに乱暴に扉を開け中に入ってきたとたん、孝利さまは苦虫でも噛み潰したかのような顔になった。
それもそうだろう、フォークに刺した林檎を、ベッドの上であーんと口を開けた祐典さまの口元に私が持っていったところだったんだから。
「叔父上。
ノックくらいしていただけませんか?
それともまだ、そういう西洋の文化はご存じない?」
鷹司さんが教えてくれたのだけれど、私がまだ残っていると知ると、いままで見たことがないほど祐典さまは取り乱し、まわりの制止を振り切って炎の中に飛び込んでいったらしい。
そんなに心配させた上に怪我まで負わせてしまったことは酷く後悔したが、それだけ祐典さまが私を想っていてくれたのは嬉しかった。
屋敷の一部が焼け落ち、祐典さまも大怪我をしてしまったため、婚礼は延期になった。
……が。
「祐典!」
ノックもなしに乱暴に扉を開け中に入ってきたとたん、孝利さまは苦虫でも噛み潰したかのような顔になった。
それもそうだろう、フォークに刺した林檎を、ベッドの上であーんと口を開けた祐典さまの口元に私が持っていったところだったんだから。
「叔父上。
ノックくらいしていただけませんか?
それともまだ、そういう西洋の文化はご存じない?」