恋と眼鏡
祐典さまから送られる冷たい視線に、拳を強く握り、顔を真っ赤にしてわなわな震えていた孝利さまだけど、はぁーっと大きく息を吐くと気を落ち着けたようだ。
「まあいい。
ところで、結婚は中止とはどういうことだ!
先方はかんかんにお怒りだぞ!」
耳が痛くなるほど大きな声で怒鳴る孝利さまを完全に無視し、祐典さまが私の手を掴む。
なにをするのかと思ったら、林檎の刺さったフォークを持ったまま固まっていた私の手を自分の方へ引き寄せ、林檎にかりっといい音を立てて噛みついた。
……え?
延期って聞いていたけれど、中止、なの?
「だいたい、あの結婚はあまり乗り気じゃなかったんですよ。
自暴自棄になっていたとはいえ、あんな決断を下してしまった自分を責めたいところです」
祐典さまがこちらを向いて笑顔で口を開けるものだから、いいのかなーと思いながらも残りの林檎を差し出す。
ぱくりと林檎を口に入れ、もぐもぐと食べている祐典さまを、孝利さまはプルプルと小刻みに震えながら見ている。
「まあいい。
ところで、結婚は中止とはどういうことだ!
先方はかんかんにお怒りだぞ!」
耳が痛くなるほど大きな声で怒鳴る孝利さまを完全に無視し、祐典さまが私の手を掴む。
なにをするのかと思ったら、林檎の刺さったフォークを持ったまま固まっていた私の手を自分の方へ引き寄せ、林檎にかりっといい音を立てて噛みついた。
……え?
延期って聞いていたけれど、中止、なの?
「だいたい、あの結婚はあまり乗り気じゃなかったんですよ。
自暴自棄になっていたとはいえ、あんな決断を下してしまった自分を責めたいところです」
祐典さまがこちらを向いて笑顔で口を開けるものだから、いいのかなーと思いながらも残りの林檎を差し出す。
ぱくりと林檎を口に入れ、もぐもぐと食べている祐典さまを、孝利さまはプルプルと小刻みに震えながら見ている。