終わらない物語を、君に
骨は折れていないようだが、ざっくりと切れていることは間違いない。
現に、ズボンを伝い落ちてくる血が濡らしている。

男の方に一歩踏み出すと、ふたりの村人が同時に鍬と鋤で降りかかってきた。

「この吸血鬼が!」

「久しぶりの食事なんだから、邪魔しないでくれるかなぁ」

両腕で受け、そのまま払うと、村人は遠くまで吹っ飛んだ。
震える男に牙をたてようとして、後ろに迫ってきた男を回し蹴りで吹っ飛ばす。

「君たちは順番ってものを知らないの?」

血を吸ったせいか、気分が高揚する。
このまま全員、倒せそうな気さえした。
次の男に噛みつこうとした瞬間。

「やめて!」

レスティンの声に、凪いだ湖のようにその場が静まり返った。
戸口にはレスティンが壁に縋って立っている。

「スクーナ、もうやめて」
< 25 / 28 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop