俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~
「親友との昔からの約束で孫同士が結婚なんて、運命みたいにロマンティックなお話じゃない」
目を輝かせる母に、隼人がすかさず噛みついた。
「なにがロマンティックだよ。ばあさん同士の自己満足に、勝手に孫を巻き込むな。姉ちゃんだって顔も知らない男と結婚する気なんてないよな!?」
こちらを振り返った隼人の剣幕に少し驚きながら、私は慌ててこくこくと頷く。
「でも、鈴花はいつもこの家を出たいと言っていたじゃない」
そんな私を見て、不思議そうに母がたずねてきた。
確かに何度もそう言っていたけど、それは自分で働いて自立したいということで、お見合い結婚なんて微塵も望んでいない。
そう反論しようとすると、父がほんわかとした笑顔を浮かべる。
「それに、大宮建設がうちの旅館に資金援助をしてくださると言ってきてね。大女将が亡くなってから経営が厳しかったから、とてもありがたいお話だよ」
「なんだよそれ! 結婚と援助の話を同時に持ち掛けるなんて、金で嫁を買う気満々だろ! 親父は金のために姉ちゃんを売るのかよ!」