俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~
 

そんな私の気も知らず、父は明るい笑顔で説明する。

「大女将が生前ご友人と、お互いの孫を結婚させられたらいいねと約束していたそうなんだよ」
「そんなふざけた口約束を今更持ち出してくるなんて、どうせ相手は自分で結婚相手も見つけられないバカ息子に決まってる。今すぐ断れよ!」

気色ばむ隼人に、両親が顔を見合わせた。

「バカ息子って、お相手は大宮建設の御曹司よ」

その予想外の言葉に、それまで息巻いていた隼人も黙り込んだ。

大宮建設といえば、国内有数の建設会社だ。
そんな大企業の御曹司が、どうして私とお見合いなんかするんだろう。

不釣り合いなほどの良家との縁談なんて、こちらに拒否権はないと言われているようで身がすくむ。

「大宮建設の先代の奥様がこの日野屋をご贔屓にしてくださっていて、大女将とも大親友だったそうなの。大女将が亡くなったと聞いて、昔交わした約束を守りたいと縁談を申し出てくださってね」

おばあちゃんがそんな約束をしていたなんて、まったく知らなかった。


 
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